初めて従業員を雇うときに確認したいこと
会社が最初に整えておきたい労務管理の基本
「初めて従業員を雇うことになったけれど、何から準備すればいいですか?」
このようなご相談をいただくことがあります。
家族だけで仕事をしてきた会社が、初めて従業員を雇う。
一人で事業をしてきた方が、初めてパートさんや正社員を採用する。
このタイミングは、会社にとって大きな一歩です。
ただ、従業員を雇うときには、給与を決めるだけでなく、雇用契約書、労働条件通知書、労働保険、社会保険、勤怠管理、給与計算など、確認することがいくつかあります。
今回は、初めて従業員を雇うときに、まず整えておきたい基本についてお伝えします。
まずは労働条件を書面で確認しましょう
従業員を雇うときは、勤務時間、休日、給与、契約期間、業務内容などの労働条件を明確にしておくことが大切です。
「口頭で説明したから大丈夫」
「小さな会社だから、細かい書類はなくても大丈夫」
と思われることもありますが、最初の約束があいまいだと、後から認識違いが起こることがあります。
2024年4月からは労働条件明示のルールが改正され、すべての労働者に対して「就業場所・業務の変更の範囲」などの明示事項が追加されています。厚生労働省も、モデル労働条件通知書やリーフレットを公表しています。
初めて雇うときこそ、雇用契約書や労働条件通知書を整えて、会社と従業員の約束を見える形にしておきましょう。
労働保険の加入も確認が必要です
従業員を一人でも雇用すると、労働保険の加入が必要になります。
労働保険とは、労災保険と雇用保険をあわせたものです。
厚生労働省も、労働者を一人でも雇用していれば労働保険に加入する必要があると案内しています。
労災保険は、業務中や通勤途中のけがなどに関係します。
雇用保険は、一定の要件を満たす従業員が加入する保険です。
雇用保険については、被保険者となる従業員を雇用した場合、雇用保険被保険者資格取得届を、被保険者となった日の属する月の翌月10日までに提出する必要があります。
「初めて雇うからまだ関係ない」と思わず、最初の採用時点で確認しておくと安心です。
社会保険の加入対象か確認しましょう
法人の会社や、一定の個人事業所では、健康保険・厚生年金保険の加入も確認が必要です。
日本年金機構は、健康保険・厚生年金保険について、適用事業所に常時使用される人は、国籍や性別、賃金の額等に関係なく被保険者となると案内しています。また、事業主は被保険者資格取得届を、事実発生から5日以内に提出する必要があります。
パート・アルバイトの場合でも、勤務時間や勤務日数によって社会保険の加入対象になることがあります。
採用時には、
「正社員だから」
「パートだから」
だけで判断せず、勤務時間や契約内容を確認しておきましょう。
勤怠管理と給与計算の準備も忘れずに
従業員を雇うと、毎月の勤怠管理と給与計算が必要になります。
たとえば、
- 出勤・退勤の記録方法
- 休憩時間
- 残業の有無
- 遅刻・早退・欠勤の扱い
- 有給休暇の管理
- 給与の締日・支払日
- 通勤手当
- 社会保険料や雇用保険料の控除
などを確認しておく必要があります。
労働者を雇用したら、労働者名簿や賃金台帳などの法定帳簿を整え、保存する義務があります。
最初は従業員が一人でも、勤怠や給与の記録をきちんと残しておくことが大切です。
最初に決めておきたいこと
初めて従業員を雇うときは、次のようなことを確認しておくと安心です。
- 雇用契約書・労働条件通知書を作成する
- 労働保険の加入手続きを確認する
- 社会保険の加入対象か確認する
- 給与の締日・支払日を決める
- 勤怠管理の方法を決める
- 有給休暇の管理方法を考える
- 就業ルールや服務ルールを整理する
- 入社時に提出してもらう書類を準備する
いきなり完璧な制度を作る必要はありません。
ただ、最初に基本を整えておくことで、後から従業員が増えたときにも対応しやすくなります。
まとめ
初めて従業員を雇うときは、会社にとって大きな節目です。
採用できたことは嬉しい一方で、雇用契約、労働保険、社会保険、勤怠管理、給与計算など、会社として確認すべきことも増えていきます。
「初めて人を雇うので、何から準備すればよいかわからない」
「雇用契約書や労働条件通知書を整えたい」
「労働保険や社会保険の手続きを確認したい」
「給与計算や勤怠管理の流れを作りたい」
このようなお悩みがありましたら、お気軽にご相談ください。
社会保険労務士事務所キャリア・アヴニールでは、奈良県内の中小企業さまの実情に合わせて、初めての雇用に必要な労務管理の準備をサポートいたします。

